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【まとめ】2024年 日本劇場公開の映画(7月編)

 この記事は2024年7月に日本の劇場で公開された映画作品をかる~く紹介していく記事です。(私が観た作品だけ)

 「2024年って、どんな映画があったっけ?」と新たな映画に出会いたい方や振り返りたい方、「あの映画、気になってるけど実際どんな感じなの?」と鑑賞の判断をつけたい方向けの記事になっています。本当に軽く紹介するだけなので、軽く流し読みする程度で読んでください。ネタバレは絶対にしません。ご安心ください。

 

 各作品ごとに以下の項目を挙げて簡単に紹介していきます✍

  • 公開日(日本の劇場で公開された日)
  • ジャンル
  • 監督
  • キャスト
  • 概要
  • あらすじ
  • 感想

 加えて、各作品ごとに以下の観点を⭐の数で評価していきます。

  • 脚本・ストーリー
  • 演出・映像
  • 登場人物・演技
  • 設定・世界観

 ⭐は最大で5つです。

 

 それでは、早速いきましょう💨

先生の白い嘘

(C)2024「先生の白い嘘」製作委員会 (C)鳥飼茜講談社

公 開 日  :7月5日

ジャンル:ドラマ

監 督 :三木眞一郎

キャスト:奈緒、猪狩蒼弥、三吉彩花風間俊介

 

概要

 漫画家・鳥飼茜さんが執筆した同名漫画の実写映画化。

 ※公式サイトより引用および抜粋

 

あらすじ

 高校教師の原美鈴は、教卓の高みから生徒たちを見下ろし観察することで、密に自尊心を満たしながら、女であることの不平等さから目を背けていた。ある日、美鈴は親友の淵野美奈子から早藤雅巳と婚約したと告げられる。早藤こそ、美鈴に女であることの不平等さの意識を植え付けた本人だった。

 早藤を忌み嫌いながらも、早藤の呼び出しに応じてしまう美鈴。そんなある日、担当クラスの男子生徒・新妻祐希から衝撃的な性の悩みを打ち明けられ、思わず美鈴は本音を漏らしてしまう。新妻は自分に対して本音をさらけ出した美鈴に惹かれていく。そして、ゆがんだ愛憎渦巻く人間模様は思いもよらぬ狂気の世界へと向かっていく。

 ※公式サイトより引用および抜粋

 

感想

 主人公の教師。主人公の友達。友達の彼氏。主人公の教え子。4人の男女が交錯して"男女"とは何たるかを炙り出すカオスなドラマ。

 危うい男性性さえも許容してしまう女性性(究極的には母性)を解剖し、今までクズ男の性分を引き受け続けてきた女性たちへ向けて励みになるような作品。だが、主要人物が話し言葉ではなく書記言語で思想や価値観を喋るだけのシーンばかりで内容がインプットしづらい。映像作品として致命的。そのため、4人の主要人物が各々の思想や価値観の語りを聞き、自分の考えに照らし合わせて一理あるかさえも考えにくい。考えを提示させておきながら、受け手側へ考えにくく伝えるのは悪手。本作を実写映画化した意義が見受けられなかった。

 原作未読だから分からないけど、原作にある哲学的なセリフを忠実に引用したのか主要人物全員が漏れなく喋りすぎ。終始、主要人物たちによる各々の思想や価値観を口に出して言語化してるだけであり、物語にも演出にも主要人物の葛藤が乗り切ってない。しかも、セリフが話し言葉というより書記言語に近く、4人の主要人物が各々の思想や価値観の語りを聞き、自分の考えに照らし合わせて一理あるかさえも考えにくい。考えを提示させておきながら、受け手側へ考えにくく伝えるのは悪手。セリフが書記言語に近いならば、原作漫画を読むか主要人物たちの手記を読んだ方が効率よくインプット出来るであろう。本作を実写映画化した意義が見受けられなかった。

 本作の主人公役に奈緒さんはミスマッチだと思う。気弱で外見の手入れに疎い設定があるのに、目鼻立ちがくっきりした奈緒さんでは設定にピンと来ない。何をやっても奈緒さんの顔立ちなら凛としてるようにしか見えない。古川琴音さんや芳根京子さんの方が合っていたような気がする。

 

⭐評価

脚本・ストーリー:⭐⭐

演出・映像   :⭐⭐

登場人物・演技 :⭐⭐⭐⭐

設定・世界観  :⭐⭐⭐

星の総数    :計11個

 

フェラーリ

(C)2023 MOTO PICTURES, LLC. STX FINANCING, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

公 開 日  :7月5日

ジャンル:ドラマ、スポーツ

監 督 :マイケル・マン

キャスト:アダム・ドライバーペネロペ・クルス、シャイリーン・ウッドリー、サラ・ガドン

 

概要

 自動車メーカー・フェラーリ創始者エンツォ・フェラーリが経営難と家族問題を抱えながら、ロードレース「ミッレミリア」に挑む姿を描いたヒューマン・ドラマ。

 

あらすじ

 1957年、夏。イタリアの自動車メーカー、フェラーリ創始者エンツォ・フェラーリは激動の渦中にいた。業績不振で会社経営は危機に瀕し、1年前の息子ディーノの死により妻ラウラとの夫婦関係は破綻。その一方で、愛人のリナ・ラルディとの間に生まれた息子ピエロを認知することは叶わない。再起を誓ったエンツォは、イタリア全土1000マイルを走るロードレース”ミッレミリア”に全てを賭けて挑む。

 ※公式サイトより引用および抜粋

 

感想

 スポーツ界=華やか。スポーツ界の実話=美談。そんな風にメディアが取り上げたり、クリエイターが作り続けたりする表面的かつ嘘八百なスポーツの夢と理想像をブチ壊すには本作のような映画が必要だ。そのブチ壊し役を担っているのが本作の主人公であるエンツォ。仕事人としてはブレない心を持ってタフな一方、雇ったレーサーには死地へ近づく行為を強要する。夫および愛人としては確かな愛がある一方、泥沼の関係性を自ら築いている。偉大な面もあれば有害な面もある。だが、それでも偉業を成すのが事実であり現実。有害なことを働いても偉業は成せる。皮肉だけど、それが現実の理(ことわり)。主人公の良い面も悪い面も抱き合わせ、「これがスポーツ界に生ける者だ」と受け止めさせるリアリティが本作に詰まっている。この「有害な行為をしても偉業は成してしまう」というパターンは近年だと『ドリームプラン』と『アイアンクロー』も同様である。かといって有害性を野放すことなくクリーンに磨き、先人たちの良い面はそのまま継承することが、後世に生きる者達の務めだと思う。

 

⭐評価

脚本・ストーリー:⭐⭐⭐⭐

演出・映像   :⭐⭐⭐⭐

登場人物・演技 :⭐⭐⭐⭐⭐

設定・世界観  :⭐⭐⭐⭐⭐

星の総数    :計18個

 

アイアム・ア・コメディアン

(C)2022 DOCUMENTARY JAPAN INC.

公 開 日  :7月6日

ジャンル:ドキュメンタリー

監 督 :日向史有

キャスト:村本大輔、パラダイス中川 他

 

概要

 政治や社会問題を取り入れた漫才やスタンドアップ・コメディを追求するウーマンラッシュアワー村本大輔さんに密着したドキュメンタリー映画。監督を務めるのは『東京クルド』の日向史有さん。本作で長編ドキュメンタリー映画は2作目となる。

 

あらすじ

 特になし。

 

感想

 知見が広がる作品。小説や映画がエンタメ性を持ちながら政治や社会問題を伝えることと同様に、お笑いでも同等に伝えられることが村本さんの活動を通して痛感する。それを証明するかのように村本さんの漫才とスタンドアップ・コメディがしっかり面白い。加えて、社会問題の渦中に居る人々と交流する場面が何度もあり、ネタの社会性が裏付けられている。また、「そんなに政治や社会問題を語りたいなら、政治家にでもなれ!」という他人からの意見に対して明確な反論を持っており、村本さんの信念に太い芯が通っていることを伺える。村本さんの活動や信念を深く知ることが出来、今後も応援したくなるようなドキュメンタリーだった。

 

⭐評価

脚本・ストーリー:⭐⭐⭐⭐⭐

演出・映像   :⭐⭐⭐⭐

登場人物・演技 :⭐⭐⭐⭐⭐

設定・世界観  :⭐⭐⭐⭐⭐

星の総数    :計19個

 

大いなる不在

(C)2023 CREATPS

公 開 日  :7月12日

ジャンル:ドラマ、ミステリー

監 督 :近浦啓

キャスト:森山未來藤竜也真木よう子原日出子

 

概要

 デビュー作『コンプリシティ/優しい共犯』で高評価を得た近浦啓監督の第2作目。第71回サン・セバスチャン国際映画祭のコンペティション部門に選出され、サン・セバスチャン文化財団が最も卓越した作品に与えるアテネオ・ギプスコアノ賞を受賞。さらには、藤竜也さんが日本人初となる最優秀俳優賞を受賞した。サンフランシスコ国際映画祭では最高賞にあたるグローバル・ビジョンアワードを受賞している。

 ※公式サイトより引用および抜粋

 

あらすじ

 役者として活動を続ける卓。幼い頃に自分と母を捨てた父が警察に捕まったと聞き、妻の夕希と共に九州の父・陽二の元を訪ねた。父は認知症で変わり果てており、さらには父が再婚した義母・直美が行方不明になっていた。卓は何があったか確かめるべく、父と義母の生活を調べ始める。

 ※公式サイトより引用および抜粋

 

感想

 長い…。体感的に長い…。133分が150分以上に感じる。理由としては、とにかく動きの少ないワンカットが長い。それにより、物語の流れが冗長と化してローテンポに陥っている。物語の興味が段々と消失していき最終的には不在となる。また、比喩的なシーンにおいてセリフが話し言葉ではない単語が羅列されて聞き取りづらい。そもそもワンカット長すぎ問題により、視聴者の興味を比喩まで導けないこともある。あと、ミステリー要素もショボい。長いカットの最中に重要なことをポロッと言ってしまう上、引っ張るだけ引っ張って謎を解明しなかったり真相がショボかったりと物語を追っても楽しくない。加えて、時系列シャッフルの使い方も話をはぐらかしてるようにしか見えない。ノーランが時系列シャッフルの真価を発揮してきた事実がある以上、生半可な見せ方は厳しい。本作に対する興味が不在となった私は睡魔に襲われ、作品のテーマを読み取って自分の考えを見出すことを諦めた…。

 しかし、俳優陣の演技は拍手喝采藤竜也さん演じる認知症の父親が実にリアル。正気を保っているようで妄想の世界へ浸かっている塩梅が絶妙。本当に認知症の方を見てるかのよう。その夫に対して苦悩する妻役の原日出子さんも愛と苦しみの間で葛藤する姿が見事。息子役の森山未來さんは自然体な演技が素晴らしい。演じる人物の背景や性格が鮮明に準備されてないことが、逆に自然体を生んでいたと思われる。

 

⭐評価

脚本・ストーリー:⭐⭐

演出・映像   :⭐

登場人物・演技 :⭐⭐⭐⭐⭐

設定・世界観  :⭐⭐

星の総数    :計10個

 

キングダム 大将軍の帰還

(C)原泰久集英社 (C)2024映画「キングダム」製作委員会

公 開 日  :7月12日

ジャンル:漫画実写化、アクション

監 督 :佐藤信

キャスト:山崎賢人吉沢亮、橋本環奈、清野菜名岡山天音三浦貴大新木優子高嶋政宏小栗旬、吉川晃司、大沢たかお

 

概要

 原泰久さんが執筆した同名漫画の実写映画化4作目。

 ※公式サイトより引用および抜粋

 

あらすじ

 秦と趙の全てを懸けた「馬陽の戦い」で、敵将を討った信と仲間たちの前に突如として現れた趙の総大将・ホウケン。自らを武神と名乗るホウケンの圧倒的な力の前に、次々と命を落としていく仲間たち。致命傷を負った信を背負って、信の部隊は決死の脱出劇を試みる。

 一方、戦局を見守っていた王騎は、趙軍の裏に潜む軍師の存在を感じ取っていたが、劣勢を覆すべく最強の大将軍として再び戦地に舞い戻る。

 ※公式サイトより引用および抜粋

 

感想

 シリーズ4作目。大沢たかおさん演じる王騎将軍にスポットライトを当てまくった、主人公乗っ取り回。合戦シーンの合間に王騎のドラマを手際よく導入して生き様を蓄積し、溜めに溜めてから闘志を爆発する王騎の姿に武者震いを覚える。ドラマと合戦をシリーズ従来のようにパート分けせず同時進行で描いたことで、ドラマで見せる王騎の生き様と合戦で見せる王騎の戦い振りが常に連結し、王騎の存在感を大きく輝かせている。ドラマで生き様を語った後、即座に合戦で生き様を乗せて戦う姿を見せられたら、最後に待ち受ける展開で感涙するしかない。大沢たかおさんと吉川晃司さんのアクションが迫力満点。山崎賢人さんと清野菜名さんのようなアクロバティックな戦い方ではなく、重い一撃を一太刀ずつ打っていくスタイルであり、重厚かつ豪壮。武器を打ち付ける際に響く轟音は、もはや武器から出る音をではない(笑)

 本作におけるストーリーの見せ方は3作目までとは違う。3作目まではドラマと合戦をパート分けして順繰り描いていた。だが、本作では合戦の合間にドラマを手際よく導入するスタイルになっており、パート分けせずに同時進行となっている。そのため、ドラマと合戦が分断されることなく常に連結しており、合戦の高揚感をキープしたままドラマにてキャラクターの掘り下げが出来ている。大きな箸休めがなく、上映時間を一気に突っ走っている。

 本作の主人公は実質的に王騎。先述のドラマと合戦を連結したスタイルの恩恵を1番受けている。ドラマで語られた生き様が次の合戦シーンで即座に戦い振りへ乗っており、誰よりも大きな存在感を輝かせていた。3作目までの王騎は、後ろに陣取って丁寧な口調と「ンフッ」という笑みを中心に大沢たかおさんが王騎を演じてるというよりもモノマネをしてる印象が強かった。加えて、登場シーンも多くはないので、劇中の合間にモノマネを披露する人みたいな感じだった。だが、本作は後ろに陣取ることなく物理的に前線へ押し出され、さらには登場シーンも比にならないほど増えたため、王騎のトーンが作品を支配してモノマネ感を払拭した。

 三浦貴大さんと岡山天音さんが大きな足跡を残した。2人とも端役の兵卒で3作目までは演技の無駄遣い感があったけど、本作でようやく2人をキャスティングした理由が分かった。名優を起用したからこそ、2人を巡るドラマで大きな感動があった。まあ、原作ファンは既に知っていたことだと思うけど(笑)

 大沢たかおさんと吉川晃司さんのアクションが素晴らしい。『キングダム』シリーズのアクション担当と言えば、山崎賢人さんと清野菜名さんであり、2人とも細かくアクロバティックに立ち回る軽快さが魅力だった。大沢さんと吉川さんのアクションは、アクロバティックな戦い方よりも重い一撃を一太刀ずつ打っていく戦い方であり、重厚かつ豪壮。3作目以前では見られない新たな魅力がある。おまけに、武器を打ち付ける際に響く轟音は、もはや武器から出る音ではない(笑)

 

⭐評価

脚本・ストーリー:⭐⭐⭐⭐⭐

演出・映像   :⭐⭐⭐⭐⭐

登場人物・演技 :⭐⭐⭐⭐⭐

設定・世界観  :⭐⭐⭐⭐

星の総数    :計19個

 

密輸1970

(C)2023 NEXT ENTERTAINMENT WORLD & FILMMAKERS R&K. All Rights Reserved.

公 開 日  :7月12日

ジャンル:サスペンス、コメディ、アクション

監 督 :リュ・スンワン

キャスト:キム・ヘス、ヨム・ジョンア、チョ・インソンパク・ジョンミン、キム・ジョンス、コ・ミンシ 他

 

概要

 海に沈む密輸品を引き上げる仕事を請け負った海女たちが、複数の組織の陰謀に巻き込まれるクライム・エンタメ。監督は『モガディシュ 脱出までの14日間』のリュ・スンワン。

 

あらすじ

 1970年代半ば、韓国の漁村クンチョン。海が化学工場の廃棄物で汚され、地元の海女チームが失職の危機に直面する。チームのリーダーであるジンスクは仲間の生活を守るため、海底から密輸品を引き上げる仕事を請け負うことにした。ところが、作業中に税関の摘発に遭い、ジンスクは刑務所送りとなり、同じく海女さんであり彼女の親友であるチュンジャだけが現場から逃亡した。

 2年後、ソウルからクンチョンに舞い戻ってきたチュンジャは、出所したジンスクに新たな密輸の儲け話を持ち掛けるが、ジンスクはチュンジャへの不信感を拭えない。密輸王クォン、チンピラのドリ、税関のジャンチュンの思惑が絡む中、苦境に陥った海女チームは人生の再起を懸けた大勝負に身を投じていくのだった…。

 ※公式サイトより引用および抜粋

 

感想

 ジャンルを横断していく楽しい映画。昭和時代の旧作映画を彷彿させる劇伴と挿入歌が流れるポップな空間の下、和気藹々な登場人物たちのコミカルな掛け合いだけでは本作のジャンルが見えず、「どう転がるの?」と思っていると「そう転がるのかっ!」と膝を叩く。敵味方が入り乱れる騙し合いはクライム・コメディとして成立し、物語の興味を誘って作品全体を牽引している。敵との肉体的なぶつかり合いはアクションとして成立し、純粋なアクション映画と並べても見劣りしない。さらには、海洋生物が生息する沖を舞台にするだけあって、サメ映画の要素も加わる。

 何より本作が凄いのは、どのジャンルへ切り替わっても全ての演出および編集が一級品であること。見せ方を工夫してバシッと決めるため、楽しくジャンルを横断することが出来る。また、本作はジャンルを横断しても、海女たちによるシスターフッドが通底にある。欲望に駆られた男たちに対し、海女たちが「やったるぜ!」と強い姿勢で挑む姿は痛快。逆に、シスターフッドとしての痛快さを終始に渡って初志貫徹するからこそ、どのジャンルに渡っても楽しさが持続している。

 

⭐評価

脚本・ストーリー:⭐⭐⭐⭐

演出・映像   :⭐⭐⭐⭐⭐

登場人物・演技 :⭐⭐⭐⭐⭐

設定・世界観  :⭐⭐⭐⭐

星の総数    :計18個

 

メイ・ディセンバー ゆれる真実

(C)2023. May December 2022 Investors LLC, ALL Rights Reserved.

公 開 日  :7月12日

ジャンル:ドラマ

監 督 :トッド・ヘインズ

キャスト:ナタリー・ポートマンジュリアン・ムーア、チャールズ・メルトン 他

 

概要

 『エデンより彼方に』や『キャロル』など、重厚かつセンセーショナルな作品で熱狂的なファンをもつ異才トッド・ヘインズ監督が、2人のオスカー女優とタッグを組み、観る者すべてを”抜け出せない万華鏡”に誘う衝撃のドラマ。

 ※公式サイトより引用および抜粋

 

あらすじ

 当時36歳の女性グレイシーは、アルバイト先で知り合った13歳の少年ジョーと情事に及び実刑判決を受けた。少年との子供を獄中で出産し、景気を終えて2人は結婚。夫婦は周囲に愛され平穏な日々を送っていた。ところが23年後、事件の映画化が決定し、グレイシー役を務める女優のエリザベスが、映画のモデルになったグレイシーとジョーを訪ねる。彼等と行動を供にし、調査する中で見え隠れする、あの時の真相と、現在の秘められた感情。そこにある”歪み”はやがてエリザベスを変えていく…。

 ※公式サイトより引用および抜粋

 

感想

 編集中。

 

⭐評価

脚本・ストーリー:⭐⭐⭐⭐⭐

演出・映像   :⭐⭐⭐⭐⭐

登場人物・演技 :⭐⭐⭐⭐⭐

設定・世界観  :⭐⭐⭐⭐⭐

星の総数    :計20個

 

お母さんが一緒

(C)2024 松竹ブロードキャスティング

公 開 日  :7月12日

ジャンル:コメディ

監 督 :橋口亮輔

キャスト:江口のりこ内田滋、古川琴音、青山フォール勝ち

 

概要

 橋口亮輔さんが、2015年に公開された『恋人たち』から9年ぶりの監督作となるコメディ映画。ペヤンヌマキさんが2015年に発表した同名舞台劇を橋口さん自身が脚色し、江口のりこさんら実力派キャスト陣を揃えて映画化した作品。

 ※公式サイトより引用および抜粋

 

あらすじ

 親孝行のつもりで母親を温泉旅行に連れてきた三姉妹。長女・弥生は、美人姉妹と言われる妹たちにコンプレックスを持っていた。次女・愛美は、優等生の長女と比べられてきたせいで自分の能力を発揮できなかったと心の底で恨んでいた。姉たちを冷めた目で観察する三女・清美。そんな三姉妹に共通しているのは「母親みたいな人生を送りたくない」ということだった。

 温泉旅行の日は母親の誕生日でもあり、三姉妹はお祝いの準備を進めていた。母親へのプレゼントとして、長女・弥生は高価なストールを、次女・愛美は得意の宇田を用意し、三女・清美は姉たちにも内緒にしていた彼氏・タカヒロとの結婚をサプライズで発表すべくタカヒロ本人を紹介するつもりだったが…。

 ※公式サイトより引用および抜粋

 

感想

 家族って面倒だけど、温かい。そのメッセージへ導くための過程を、タイトルにもなっている「お母さん」を不在で完遂するから凄い。要因としては、視聴者に対して一家の変遷を具体的にイメージさせる三姉妹の言動と、どこか母親にそっくりな長女を体現させた江口のりこさんの演技力の2つが挙がる。これらにより、全く登場しない母親の人物像が高解像度で浮かび上がる。それ故、各シーンに母親が居なくとも、三姉妹それぞれの言動が視聴者目線から見て「お母さんとそっくりじゃん。親子だな」と人物像が重なるし、その逆で「母親のような生き方をしたくない」と反発してきた三姉妹の半生が容易に想像できる。それにより、子は親に似るものだが、同時に親を反面教師にするといった親子の普遍性が見えてくる。だが、反面教師になるほど嫌な部分を一人間の視点から見つけても、身近な人間として共に過ごした以上は愛おしさが溢れてくる。それが家族なのだと改めて思う作品である。

 クールな雰囲気を纏っている江口のりこさんが、本作ではバタバタ暴れ回っており、そのギャップが笑える。

 

⭐評価

脚本・ストーリー:⭐⭐⭐⭐

演出・映像   :⭐⭐⭐⭐

登場人物・演技 :⭐⭐⭐⭐

設定・世界観  :⭐⭐⭐⭐

星の総数    :計16個

 

化け猫あんずちゃん

(C)いましろたかし講談社/化け猫あんずちゃん製作委員会

公 開 日  :7月19日

ジャンル:アニメ

監 督 :山下敦弘、久野遥子

キャスト:森山未來、五藤希愛、青木崇高市川実和子、水澤紳吾 他

 

概要

 いましろたかしさんが執筆した同名漫画を山下敦弘さんと久野遥子さんがダブル監督でアニメ化した作品。

 本作では実写で撮影した映像からトレースし、アニメーションにする「ロトスコープ」という手法を採用。撮影現場でしか生まれない「お芝居」をアニメーションに落とし込むことに注力している。また、セリフも撮影と共に同時録音しており、その現場でしか生まれない声を収録。山下敦弘さんを中心とした実写班が映画撮影を担当し、撮影された映像や音声をもとに久野遥子さんを中心としたスタッフたちがアニメーションを作り上げている。

 ※公式サイトより引用および抜粋

 

あらすじ

 雷の鳴る豪雨の中。お寺の和尚さんは段ボールの中で鳴いている子猫を見つける。その子猫は「あんず」と名付けられ、和尚さんから大切に育てられた。

 時は流れ、おかしなことにあんずちゃんは猫の寿命を越え、さらには人間の言葉を話し、人間のように暮らす「化け猫」になっていた。

 そんなあんずちゃんの元へ、親子ゲンカの末に行方知れずだった和尚さんの息子・哲也が11歳の娘「かりん」を連れて帰ってくる。しかし、またしても和尚さんと哲也はケンカし、哲也はかりんを置いて家を出てしまう。あんずちゃんは残されたかりんの世話をすることになるのだが…。

 ※公式サイトより引用および抜粋

 

感想

 実写で演技を行なって撮影した映像をアニメ映像に落とし込む「ロトスコープ」という手法を用いた凄い作品。実写ならではの滑らかな人体の動きと、アニメならではのケレン味ある動きが融合して世紀の化学反応を起こしている。さらには、ふんわりした優しい絵柄なのに、登場人物の口が悪かったりキャラデザが歪だったりとギャップの差に味がある。予告編からは感じられない独特な世界観を放っており、「凄いもの観たな〜」と謎の満足感を得られる。

 

⭐評価

脚本・ストーリー:⭐⭐⭐⭐

演出・映像   :⭐⭐⭐⭐⭐

登場人物・演技 :⭐⭐⭐⭐

設定・世界観  :⭐⭐⭐⭐

星の総数    :計17個

 

フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン

© 2024 Sony Pictures Entertainment (Japan) Inc. All rights reserved.

公 開 日  :7月19日

ジャンル:コメディ

監 督 :グレッグ・バーランティ

キャスト:スカーレット・ヨハンソンチャニング・テイタム、ジム・ラッシュ、アンナ・ガルシア、ドナルド・エリース・ワドキンス、レイ・ロマノ、ウッディ・ハレルソン 他

 

概要

 人類初の月面着陸を成功させるアポロ計画の実話をベースに、「裏側では、こんなことが起きていた!」といったフィクションを織り交ぜたコメディ作品。

 

あらすじ

 1969年、アメリカ。ケネディ大統領が宣言した「人類初の月面着陸を成功させるアポロ計画」から8年。未だ失敗続きのNASAに対し、国民の関心は薄れ、予算は膨らむ一方。この最悪な状況を打破するため、政府関係者のモーを通してNASAに雇われたのはニューヨークで働くPRマーケティングのプロ、ケリー。アポロ計画を全世界にアピールするためなら手段を選ばないケリーは、宇宙飛行士たちを「ビートルズ以上に有名にする!」と意気込み、スタッフにそっくりな役者たちをテレビやメディアに登場させ、”偽”のイメージ戦略を仕掛けていく。そんな彼女に対し、実直で真面目なNASAの発射責任者コールは反発するが、ケリーの大胆で見事なPR作戦により、月面着陸は全世界注目のトレンドになる。そんな時、モーからケリーにある衝撃的なミッションが告げられる。

 ※公式サイトより引用および抜粋

 

感想

 人類初の月面着陸を試みたNASAの実話を基に、「裏側では、こんなことが起きていたかも?」という陰謀論的なフィクションを織り交ぜたゴキゲンなコメディ映画。劇中のキャラクターたちも「フィクションを用いてプラスに変換する」という嘘も方便的な感じでフィクションを活用し、フィクションを用いるコンテンツの存在意義そのものを肯定してるように思えた。

 キャスト陣が実に愉快。嘘や話術で巧みに人々を魅了するスカーレット・ヨハンソン。逆に、嘘をつけない実直なチャニング・テイタム。対照的な2人だが、それぞれ放つ魅力が惚れ惚れする。2人の脇を固める仲間たちもユーモア満載であり、ウッディ・ハレルソンは相変わらず怪しげな雰囲気を放出しながら面白おじさんを興じている。愉快な動きをするキャスト陣により、本作は心地よい快作となっている。

 

⭐評価

脚本・ストーリー:⭐⭐⭐⭐

演出・映像   :⭐⭐⭐⭐

登場人物・演技 :⭐⭐⭐⭐

設定・世界観  :⭐⭐⭐⭐

星の総数    :計16個

 

デッドプール&ウルヴァリン

(C)2024 20th Century Studios / (C) and TM 2024 MARVEL.

公 開 日  :7月12日

ジャンル:アメコミ

監 督 :ショーン・レヴィ

キャスト:ライアン・レイノルズヒュー・ジャックマン、エマ・コリン、マシュー・マクファディン

 

概要

 普通のヒーローに飽きてない?戦う動機は超個人的、破天荒で何でもアリの”クソ無責任ヒーローデッドプールに世界の命運は託された。予測不可能なミッションのカギを握るのは、よりにもよって”あの爪野郎”。クソ真面目で”キレるとヤバい最恐アウトローウルヴァリンに助けを求めるが…。全く異なる個性の”混ぜるな危険”なR指定ヒーロー2人が暴れ回る!

 ※公式サイトより引用および抜粋

 

あらすじ

 概要に同じ。

 

感想

 ※予備知識を入れず、まっさらな状態で観たい方もいると思うので、表面的なフワフワした感想を書いてます。
デッドプール』3作目にして、MCUに合流してから初めての作品。ディズニー傘下になったとはいえ、前2作のストロング・ポイントは据え置き。グロい、かっこいい、笑えるの三拍子が揃ったアクション。メタネタを乱打する無法地帯な世界観。何でもアリ過ぎるデップー・ワールドにて、最適解なパフォーマンスを選び抜いて披露するライアン・レイノルズ。1作目と2作目で味わえた楽しさが本作にも常備されている。なんならアクションは前作以上にケレン味が効いて、よりデップーらしくフザケ倒している。マルチバースの導入についても、元々、メタネタや劇中の外へ飛び出すシリーズ故、スムーズに接続されてる。ただ、前2作に比べ、視覚的な楽しみは落ちてる。本作の世界観におけるルール説明やキャラクターの背景がほぼ全てセリフで片付けられており、映像の動きが少ない。前2作のような演出と編集を効かせた表現が不足している。
 さて、マルチバースを投入してからのMCUはサプライズを多用し、内輪ネタ化してると厳しい意見が出ている。「事前に多くの関連作品を観てないと楽しめない…」と不安や疲労を感じてる方も多い。本作においても、関連作品を把握してない限り、全ての事情を読み込むことは出来ない。だが、関連作品を知らずとも、本作の物語は十分に追いかけられて楽しむ事は出来る。というのも、本作でも前2作までと同様に「誰かを救いに行く」という物語に変わりないからである。1作目は恋人を救いに行く物語(途中までは復讐劇だけど)。2作目は家族を救いに行く物語(ケーブルも含めて)。そして、本作はウルヴァリンデッドプールの横に居る通り、ヒーローを救いに行く物語である。デッドプール・シリーズは、どんなにユーモアを連発してガヤガヤやったとしても、最終的には誰かを救済する物語になっている。なので、「ヒーローを救いに行く」ということさえ把握できれば、本作で発生するサプライズの意義がなんとなく掴める。なので、そんなに作品を予習する必要はないと思う。というか、「この作品を必ず観ないと絶対に楽しめない」や「事前に、この作品を観てない人は本作を観るな」と見方を限定する風潮が個人的に頂けない。いつも通り誰かを救済するデッドプール・シリーズ3作目として、事前に観ておくべきはデッドプール・シリーズぐらいで事足りると思う。余裕があるならウルヴァリンが登場する作品(特に『ローガン』)を観れば良いと思う。参考までに、私が本作を観る前に鑑賞した関連作品はデッドプール・シリーズとX-MENシリーズ。それでも十分に本作の意図は感じられた。

 

⭐評価

脚本・ストーリー:⭐⭐⭐⭐

演出・映像   :⭐⭐⭐⭐⭐

登場人物・演技 :⭐⭐⭐⭐⭐

設定・世界観  :⭐⭐⭐⭐

星の総数    :計18個

 

劇場版モノノ怪 唐傘

(C)ツインエンジン

公 開 日  :7月26日

ジャンル:アニメ

監 督 :中村健治

キャスト:神谷浩史黒沢ともよ悠木碧花澤香菜、小山茉実 他

 

概要

 2006年にフジテレビの「ノイタミナ」枠にて放送された『怪~ayakashi~』の一編「化け猫」から派生し、2007年にテレビアニメシリーズとして放送された同名タイトルの劇場版。

 ※公式サイトより引用および抜粋

 

あらすじ

 世を統べる天子の世継ぎを産むため、美女や才女たちが各地から集められた女の園こと”大奥”。この独自の掟が敷かれた空間に、新人女中のアサとカメが足を踏み入れる。大奥の世界ではトップの役職に就く歌山が女中たちをまとめあげ、統率が取れた組織に見えたが、同時に不都合な隠し事をしている気配があった。人間の情念が糧となって悪さをするモノノ怪の気配を感じた薬売りは、大奥に入り込み真相の解明にあたる。

 ※公式サイトより引用および抜粋

 

感想

 面白いよりも凄いが勝る。とにかく画が凄い。超絶美麗。まるで和紙の上に描かれた浮世絵のような絵柄であり風情がある。その画を縦・横・奥行きにスライドさせ、絵画が動いてるような感覚にさせるのは唯一無二の映像体験と称しても過言ではない。もはや、映像作品の域を越えた一大アート。さらには、音響とBGMも風情がある。確実に映画館で体感すべき案件。

 

⭐評価

脚本・ストーリー:⭐⭐⭐⭐

演出・映像   :⭐⭐⭐⭐⭐

登場人物・演技 :⭐⭐⭐⭐

設定・世界観  :⭐⭐⭐⭐⭐

星の総数    :計18個

 

もしも徳川家康が総理大臣になったら

(C)2024「もしも徳川家康が総理大臣になったら」製作委員会

公 開 日  :7月26日

ジャンル:コメディ

監 督 :武内英樹

キャスト:浜辺美波赤楚衛二GACKT竹中直人梶原善野村萬斎

 

概要

 同名のビジネス小説を実写化したコメディ映画。監督を務めるのは『翔んで埼玉』の武内英樹さん。脚本を務めるのは、同じく『翔んで埼玉』の徳永友一さん。

 ※公式サイトより引用および抜粋

 

あらすじ

 時は2020年。コロナウイルスが猛威を振るい、日本は平穏な日常を奪われてしまった。首相官邸ではクラスターが発生し、あろうことか総理大臣が急死。窮地に陥った政府は、「AIプログラムにより歴上の偉人たちを復活させ、最強内閣をつくる」という前代未聞の計画を実行する。総理大臣を任されたのは”江戸幕府を作り上げた伝説の男”徳川家康。そして、内閣の各大臣には日本史に残る大スターたちが着任。ドリームチーム内閣、通称・偉人ジャーズが誕生した。圧倒的なカリスマ性を持ちながら政策を推し進める実行力に国民たちは驚愕し、日本中が彼等に熱狂していく。そんな中、テレビ局の新人記者・西村理沙はスクープを取ろうと政府のスポークスマンである坂本龍馬に近づくのだが、ひょんなことから偉人ジャーズの活躍の裏に渦巻く黒い思惑に気づいてしまう…。

 ※公式サイトより引用および抜粋

 

感想

 困惑する作品。コメディとして披露する笑いが、物語やシーンの脈略に沿ってない小ネタばかりで反応に困る。さらに、登場する偉人たちの元ネタを絡めたところで、偉人たちの説明が全くないから、歴史が苦手な方はプラスして反応に困る。とはいえ、現代社会を生きる者たちへ喝を入れる自己啓発が本作にある。政治へ積極的に参加すること。目まぐるしい情報社会の下、正しい情報を見極めること。現代人が持つべき思考を説いてくれる。しかし、そのアプローチが悪い意味で丁寧。セリフでベラベラ説教するだけであり、自己啓発系YouTuberの動画を視聴することと大差ない。
 登場する偉人たちについて、世間的な人物像及び偉人たちが行ってきた政策について説明がないため、歴史が苦手な方は置いてけぼりを喰らう。浜辺美波さん演じる主人公に歴史が苦手という設定を用意しており、「歴史が苦手な方でも主人公と一緒に勉強できるのかな」と思いきや、主人公は画面外で勉強して知識を付けていく。そのため、主人公ですら歴史嫌いな者たちを置いていく。
 コメディの部分にインパクトがない。物語およびシーンの脈略に沿ってない小ネタをCM的に導入するばかりで反応に困る。加えて、前述の通り偉人たちの説明がないため、歴史が苦手で元ネタを知らない方はプラスして反応に困る。また、披露する小ネタの全てが武内監督の前作『翔んで埼玉2』のように大掛かりな映像と名優たちのカリスマ性でクオリティを誤魔化してるように見える。武内監督の『翔んで埼玉』は大爆笑だったが、あれは原作という元ネタがあったおかげか…。
 現代社会を生きる者たちへ喝を入れる自己啓発が本作にある。政治へ積極的に参加すること。目まぐるしい情報社会の下、正しい情報を見極めること。現代人が持つべき思考を説いてくれる。物語において成長すべきは主人公だが、本作において成長すべきは本作を観た現代を生きる私なのだろう。とはいえ、そのアプローチが悪い意味で丁寧。なぜなら、本作を観た者たちへ伝えたかったことを終盤の数10分間、セリフだけでベラベラとご丁寧に羅列しているだけだから。それをするならば、自己啓発系YouTuberが数10分程度にまとめた動画を視聴するだけで事足りる。映像作品および長尺を用いる映画の醍醐味が完全に消失している。

 

⭐評価

脚本・ストーリー:⭐⭐

演出・映像   :⭐⭐

登場人物・演技 :⭐⭐⭐

設定・世界観  :⭐⭐⭐

星の総数    :計10個