- はじめに
- 2021年上半期に鑑賞した作品たち
- 私の映画ランキング付けの基準
- 論外だったクソ映画
- 惜しくもトップ30にランクインしなかった作品
- 2021年上半期ベスト映画トップ30 30~21位
- おわりに
はじめに
皆さん、こんにちは✋『ザ・ファブル』の主人公と顔が似てると多々言われるが、実写版『ザ・ファブル』で主人公を演じた岡田准一さんには似てると言われたことがない、細目族の王・プライです。(ちょっと、そこの岡田准一、ザ・ファブルの実写第3弾は俺と主演を代われや!!)
さて、月日が経つのは早いことで、2021年も半年が過ぎてしまいました。2021年4月、私は下記のブログ記事を掲載いたしました。
まあ、簡単に言えば、この記事のタイトル通りで、「2021年上半期に鑑賞した映画作品でトップ30を決めようぜ」っていうわけです。で、この記事では30位から21位まで発表します。残りの20位から1位までの作品は次の記事で発表します。
2021年上半期に鑑賞した作品たち
今回のトップ30は2021年に劇場公開された作品だけでなく、それ以前に公開された旧作も含みます。よって、2021年の1月初めから6月末まで鑑賞した作品を並べて、さらにトップ30を並べるとなると記事がかなり長くなってしまいます。
なので、私が上半期に鑑賞した作品は下記にある記事に全て載せているので、そちらをご覧ください。そして、私のブログのPV数稼ぎに貢献してください(笑)
私の映画ランキング付けの基準
トップ30を発表する前に、私がどういった映画が好きなのかを3点ほど簡単に書きます。これを書いておかないと、「どういう基準で順位つけたの?」ってなるので。
①視覚的に観て面白い
映画=映像作品なので、観ていて楽しくなければ何も始まりません。演出に凝った作品やストーリー展開が素晴らしい作品が大好物です。
②「面白い」以外の感情が沸きあがる
観終わった後に「あ~面白かった~」とならない作品が好きです。哲学的な要素や社会風刺が含まれた作品が好きです。簡単に言うと、アカデミー賞の選考レースで上位に食い込む作品が好きってことです。逆に例外として、面白過ぎて「スゲー!」となる作品は好きです。例を挙げるなら、タランティーノやクリストファー・ノーランみたいな作品たちです。
また、『セブン』や『ダンサー・イン・ザ・ダーク』といった、観終わった後に胸糞悪くなる作品が好きです(笑)
③尖った作品
他の作品では表現されてない唯一無二の特異性や意外性を持った作品が好きです。例を挙げれば、『カメラを止めるな』や『複製された男』といった作品たちが好きです。ただし、必ず入ってないとダメってわけではありません。
今回、順位をつけるにあたって、上記の3点がどれほど色濃く表現されているかを基準にしました。ですので、順位が1位に近づくにつれて、上記3点が強く表現された作品であり、私好みの作品になります。ただし、一部の作品では例外的に、上記3点のうち1点が欠けているが他の2点がメチャクチャ高くて高順位に君臨してる作品もあります。
論外だったクソ映画
さて、トップ30を発表する前に(本日2回目のセリフ)、上半期に観た作品で、選考の対象にすらならないクソ映画があったので、軽く紹介します。
👇それがコチラです
Amazon prime videoより引用
『バイオハザード ヴェンデッタ』です。
この作品の中身を紹介する前に言っておきますが、私はゲーム『バイオハザードシリーズ』のファンです。購入した作品は2週以上クリアするほど大好きです。
この『バイオハザード ヴェンデッタ』はゲームシリーズ古来から活躍する2大主人公クリスとレオンの夢の共闘が実現された作品です。シリーズファンなら知っていると思いますが、クリスとレオンはバイオハザードを代表する人気キャラです。しかし、2人がゲーム作品内で共闘するシーンはメッチャ少ないです。なので、この『バイオハザード ヴェンデッタ』でクリスとレオンの共闘が観れることを楽しみにしてました。
だが、結果は最悪でした💀シリーズファンからすれば、あきらかに違和感を抱くほどツッコミどころ満載の作品でした。もはや、バイオハザードのキャラと世界設定を借りた二次創作にしか私は感じませんでした。
ツッコミポイントに関しては、あまりにも多いためここでは語りません。ただ1つだけ”確実に許せない”ツッコミポイントがあるので、そちらだけお話しいたします☝ストーリーに関わらない部分であるため、ネタバレにならないので安心してください。また、詳細を説明すると、長くなるのでメッチャ簡単に書きます。
👇それがコチラです。
主人公のレオンが民間人を巻き添えにして、敵もろとも殺害する。しかも、死んだ民間人には目もくれず、敵を倒したことにカッコつける。
以上です。バイオハザード・ファンにとっては嘘のような話に思えますが、これはマジです。事の顛末が気になった方もしくはバイオハザード・ファンは自分の目で確かめるために観てもよいですが、不快になる可能性があるので自己責任でお願いします(笑)
惜しくもトップ30にランクインしなかった作品
トップ30を発表する前に(本日3回目のセリフ)、惜しくも漏れてしまった作品を6点ほど軽く紹介します。
タランティーノ監督による、バカッコいいチャンバラ作品です。題名の通り、ユア・サーマン演じる主人公がビル(人名)をキル(〇す)するストーリーです。
ハリウッド映画でありながらも多くの日本人俳優がキャスティングされています。千葉真一さんや栗山千明さんが目立った役を披露する中、田中要次さんや高橋一生さん等がまさかのチョイ役でコッソリと登場しています。鑑賞の際には日本人俳優たちを見つけてくださいね(笑)
タランティーノ監督作品による、ジャンルの分類が不可能な作品。強いて言えば、アクションでしょうか?タランティーノ監督の大ファンなら確実に上位に食い込むであろう一作。けれど、1つの映画作品として見た場合、相対的評価がしづらい作品である。相対的評価があまりにも難しいので、トップ30からは外しました。異質中の異質な作品なので、気になる方はご覧ください。ただし、タランティーノ監督のファンでなければ作品の楽しさを理解できないかもしれません。なんともムズい作品なのだ(笑)
カート・ラッセルが主演を務めているが、この作品の主人公はスタントマンのゾーイ・ベルだと私は勝手に思ってます(笑)
シャッター・アイランド
ハリウッド界のゴールデン・コンビである名優レオナルド・ディカプリオと巨匠マーティン・スコセッシ監督がお送りするミステリー作品。
2度見必須のどんでん返しミステリー・エンターテインメント。良い意味でマーティン・スコセッシらしくない作品。
告白
日本の小説界に、嫌な気分になるミステリー、通称”イヤミス”の先駆者となった作家・湊かなえさんのデビュー作を実写化した松たか子さん主演の胸糞映画。
ほとんどの登場人物がサイコです(笑)劇中で松たか子さんが発する「ドッカーーーン!」と「な~んてね♪」は脳に刻み込まれるキラーフレーズ。
ライフ
出演作品が胸糞映画になりやすいことで有名な(?)ジェイク・ギレンホールが主演のSFホラー映画。
最期の最後でどんでん返しを巻き起こす作品であるが、同時に観る者を胸糞な気分へ叩き送ってしまうので要注意💀みんな大好きデッドプールを演じる喜劇(?)俳優ライアン・レイノルズが出演しても胸糞エンドは防げません(笑)やはり、ジェイク・ギレンホールが胸糞の磁力を引き寄せてるとしか思えない(笑)決して、ほぼ同名タイトルであるベン・スティラー主演作品『LIFE!』と見間違えはいけない(笑)
視聴者を胸糞送りにさせる技法ならトップレベル👍作品の世界設定で1番最悪であろうエンディングに着地したと思ってる(笑)
地獄の花園
かの有名なお笑い芸人・バカリズムさんが脚本を務めたコメディ映画。
「OL界にもヤンキーがいる」という架空の設定を舞台に、濃すぎるキャスト陣が最初から最後までフザけ倒す作品。
2021年上半期ベスト映画トップ30 30~21位
前置き長くてスイマセンでした(笑)それでは、トップ30を発表していきます。今回の記事では30位から21位までを発表いたします💡
発表した作品名をただ並べるだけでは飾り気がないので、作品ごとに以下5点を簡単に書いていきます。
- ジャンル
- 主要キャスト
- 受賞歴
- あらすじ
- 感想
※ 感想の部分でネタバレに関わる記述は一切しません。
それでは、30位から21位まで行ってみましょう💨
※複数の作品にストーリーがまたがっているシリーズ作品は、シリーズで1つの作品と見なしてカウントしている作品もあります。
30位 母なる証明
⭐ジャンル
サスペンス、ミステリー、人間ドラマ
⭐主要キャスト
キム・ヘジャ
⭐受賞歴
第30回 青龍賞 最優秀賞(韓国で1番権威のある映画賞)
⭐あらすじ
知的障害のある息子(演:ウォンビン)が無実の殺人罪を着せられた。息子の無罪を証明するために母親(演:キム・ヘジャ)が世間や被害者遺族のパッシングに耐えながら奔走する。
⭐感想
世間から厳しい視線を浴びながらも我が子のために奮闘する母親の心情を強く表現した作品となっています。また、母親が殺人事件の真相に迫っていくストーリー展開は続きが気になる仕様となっております。しかし、母親の心情と続きが気になるストーリー展開を紡いだ先には胸糞エンディングが待ち受けている作品となっています。鑑賞後には母親の複雑な気持ちが重くのしかかります。どうやって母親の心情を噛みしめたらよいのか分からなくなりました。それぐらい驚愕な結末が待ち受けていますので、少し閲覧注意といったところですね。
胸糞映画として有名な作品ではありますが、単純にミステリーや社会的な人間ドラマだけを切り取っても見応え十分です。
29位 るろうに剣心 最終章 The Final
⭐ジャンル
アクション
⭐主要キャスト
⭐受賞歴
今年度の映画祭で何かしらの賞を獲ってくれることでしょう
⭐あらすじ
緋村剣心(演:佐藤健)の前に、剣心の頬に刻まれた十字傷の秘密を知る男・雪代縁(演:新田真剣佑)が姿を現す。雪代は剣心に恨みを抱いており、「人誅」と称して復讐戦を仕掛けてくる。
⭐感想
言わずもがなですが、佐藤健さんと新田真剣佑さんをはじめ、出演者たちのアクションがとにかくカッコイイです。観終わった後に、アクションシーンだけ切り取って何回も繰り返し観てられるぐらいです。
ストーリーに関して言及すると、佐藤健さんと新田真剣佑さんを重点的に描いたストーリーであるため、過去作に出演したキャラクターたち数名が今作では影が薄くなっています。また、雪代が剣心に復讐する動機は理解できるとしても、復讐の手法が大袈裟過ぎると思いました。過去作の推しキャラの活躍やストーリー性を強く求める方には微妙な作品だと思いますが、アクションシーンを重点的に観たい方には十分過ぎるほど映画体験にはなると思います。
28位 スパイダーマン:ホームカミング
⭐ジャンル
⭐主要キャスト
ロバート・ダウニーjr
ジェイコブ・バタロン
⭐受賞歴
?
⭐あらすじ
見た目はごく普通などこにでもいる高校生ピーター・パーカー(演:トム・ホランド)は家族や友達に内緒でスパイダーマンと名乗り、高校生とヒーロー活動の二重生活を送っていた。そんなある日、トニー・スターク(演:ロバート・ダウニーjr)に恨みを持つバルチャー(演:マイケル・キートン)と名乗るヴィランが姿を現す。
⭐感想
普段は高校生、ある時はスパイダーマンであるピーターの二重生活が上手く描かれた作品です。高校生として友達と普通な高校生活を送りたい、けれどもスパイダーマンとしてヒーロー活動を行いたいといった二重の願望が交錯する姿を主演のトム・ホランドが上手く表現していました。
また、この作品ではトム・ホランド演じるピーター以外の脇を固めるキャストのキャラクター性がかなり印象強く残りました。ロバート・ダウニーjr演じるトニー・スタークは、両親のいないピーターにとって父親代わりみたいな立ち位置がよかったです。ジェイコブ・バタロン演じるネッドはピーターの親友であり、友達思いな面を見せながら作品全体のユーモア担当をこなす面白いキャラクターでした。
特に、1番キャラクター性が際立っていたのが、ヴィランのバルチャーです。MCUのヴィランが悪事を行う理由としては「人々を支配してやる」や「強大な力を手に入れる」といった”MCUヴィランあるある”が基本的ですが、バルチャーの悪事は動機づけが全く異なります。ネタバレ防止のためにバルチャーが悪事を働く動機についての詳細は語りませんが、すごく人間臭い動機で悪事をします。作品の序盤でもバルチャーが悪事を働くきっかけとなった背景を描いてる点が非常に良く、キャラクターの深堀とストーリー性を持たせる良いシーンでした。また、バルチャーの正体がピーターの生活に大きな影響を及ぼしている点もこれまたストーリーを面白くさせる要因になっていました。
個人的に、キャラクター性とストーリー性においてはMCU作品の中でもトップレベルの作品だと思っています。
27位 ダンケルク
⭐ジャンル
戦争
⭐主要キャスト
フィン・ホワイトヘッド
トム・グリーン=カーニー
ジャック・ロウデン
⭐受賞歴
第90回アカデミー賞 編集賞、録音賞、音響編集賞の3部門を受賞
⭐あらすじ
舞台は1940年の第二次世界大戦下のフランス。イギリス等で構成された連合軍はダンケルク海岸でドイツ軍から包囲された。連合軍は撤退を余儀なくされ、戦地の兵士たちを脱出させるべく”ダイナモ作戦”を決行する。
⭐感想
史実で実際に起こった”ダンケルクの戦い”を題材に、陸・海・空軍と民間人の視点で描いた戦争スペクタクルです。
この作品の素晴らしさは音響効果です。戦争の空気・緊迫感・次々と発生する事象が五感を刺激して伝わってきます。視覚と聴覚は普通に映画を観てれば感じ取るものですが、この作品は感じ取れるはずのない触覚・味覚・嗅覚も刺激されます。観終わった後に、”映画を観た”というよりも”戦場に居た”と感じてしまうほどです。”体感型”戦争映画と言ってもいいレベル。
この作品を監督したのは、独創的で難解な作品を製作することで有名なクリストファー・ノーランです。しかし、この『ダンケルク』は難解な要素がなく、誰もが平等に楽しめる作品となっています。逆を言えば、難解な要素がない分、考察する楽しみがありません。ノーラン監督作品で考察をしたい方には物足りなく感じてしまうかもです。ただ、それでも誰もが楽しめる”体感型”戦争映画になっています。臨場感のある映画体験をしたい方にはオススメの一作です。
26位 ジョーカー
⭐ジャンル
アメリカン・コミック
⭐主要キャスト
⭐受賞歴
第92回アカデミー賞 主演男優賞(ホアキン・フェニックス)
⭐あらすじ
舞台は犯罪が蔓延するゴッサム・シティ。この街に住む青年アーサー(演:ホアキン・フェニックス)はトゥレット障害を抱えながらもコメディアンを目指していた。アーサーは年老いた母親と2人で暮らしており、母親の世話をする心優しき人物だった。しかし、ある時を境にアーサーは豹変。今までにない感情が芽生え始め、新たな自分が形成されていく。そして、アーサーは悪のカリスマ・ジョーカーへと生まれ変わる。
⭐感想
”観て感じろ”系の胸糞映画です。なぜなら、心優しき青年が悪のカリスマ・ジョーカーへと変貌していく過程を描いていく中で、なぜアーサーが悪の道へ走ったかやアーサーの心情や胸中を言葉で表現するシーンがかなり少ないからです。要は、劇中で何が起こっているかの説明がほぼ存在しないってわけです。なので、この映画の世界観やアーサー役のホアキン・フェニックスの演技から感じ取る必要があります。けれども、映画に登場する街ゴッサム・シティの社会情勢やホアキン・フェニックスの演技からアーサーがジョーカーへ変わっていく理由は十分に感じ取ることが可能です。
主人公・アーサー役を演じたホアキン・フェニックスの演技は圧巻でした。アーサーの心情を体の動きと表情で見事なまでに表現していました。アーサーは自分の意志と反して、突発的に笑い出してしまう病気・トゥレット障害を患っています。つまり、悲しい気分なのに爆笑してしまう時があります。ホアキン・フェニックスは、この悲しみながらも爆笑するという相反的な心情と行動を表現するのが絶妙でした。これほどまでに悲しい笑顔は見たことありません。
25位 ミッドサマー
⭐ジャンル
ホラー ※あくまで世間一般的な意見です
⭐主要キャスト
フローレンス・ピュー
ジャック・レイナー
⭐受賞歴
?
⭐あらすじ
女子大生のダニー(演:フローレンス・ピュー)は恋人のクリスチャン(演:ジャック・レイナー)と友人数名と共にスウェーデン国内に位置する”ホルガ村”と呼ばれる自然豊かな白夜の村に旅行することになった。後日、ダニーたちはホルガ村に到着。明るく陽気な村人たちと自然に恵まれた神秘的な景観にダニーたちは魅了された。だが、楽しい思いは一瞬。ホルガ村の伝統である”夏至祭”が始まってからは狂気の連続ばかりだった……。
⭐感想
いろいろな意味で”閲覧注意”の4文字が似合う胸糞映画です。
容赦ないゴア描写や不快な音響効果が多く発生するため、”とりあえず”ホラー映画にカテゴライズされている本作。だが、作品内容を深堀りして考察すると、「これはホラー映画なのか?」と疑問が浮上してくる不思議な作品です。ちなみに、この作品の監督を務めたアリ・アスター監督は「この映画は”失恋”映画だ」と公言しています。
この作品は見る度に新たな発見があるため、スルメ的な味わい方が出来る作品です。ただし、視覚的にも聴覚的にもキツイ描写が続くし、考察すると余計に胸糞悪さを感じる場合もあるため、鑑賞及び考察する際は覚悟を要しますので注意が必要です。
24位 るろうに剣心 最終章 The Beginning
⭐ジャンル
アクション
⭐主要キャスト
⭐受賞歴
何かしら獲るであろう
⭐あらすじ
時は幕末。緋村剣心(演:佐藤健)は倒幕派の下で暗殺者と働き、”人斬り抜刀斎”と恐れられていた。人を殺め続ける日々を送っていた剣心だったが、後に妻となる雪代巴(演:有村架純)と出会ったことで心境に変化が生まれ始め、自分の生き方を見つめ直していく。だが、その矢先に新たな悲劇が巻き起こる。そして、物語は『るろうに剣心』第1作目と繋がっていくのだった。
⭐感想
個人的には、実写版『るろうに剣心』シリーズでは1番の傑作です。というよりも、シリーズの中でも異質な作品であります。
劇中のトーンはシリーズの他の作品と比較すると、かなり暗いです。舞台が幕末だけあって、殺伐とした空気が終始に渡って張り詰めていました。
また、今までの作品はアクションを全面的に押し出した作品でしたが、本作は「主人公の過去には何が起きていたのか?」に重きを置いた作品となっております。かといって、アクションの迫力やカッコよさが削がれたわけでもないし、主人公以外のキャラクターが空気になってるわけではありません。
むしろ、個人的にアクション面はこの作品がナンバーワンです。今までの作品と違って、大量の血を噴き出しながら人々が倒れていく様は生々しさがありながらもカッコよさがありました。多くの人間の血が流れた幕末という時代を表していたと個人的に思っています。
前作の『The Final』は空気になってるキャラクターが数名いましたが、今作は多くの登場人物が主人公に関わってくる立ち位置でいるため、空気キャラは存在しません。
終わり方もよく、また1作目からシリーズ全てを観直そうと思いました。
23位 レザボア・ドッグス
⭐ジャンル
クライム・サスペンス
⭐主要キャスト
⭐受賞歴
トロント国際映画祭 最優秀作品賞
⭐あらすじ
舞台はロサンゼルス。裏社会を牛耳るジョーの元へ6人の素性を隠した男たちが集結した。男たちの正体は誰もが腕利きの犯罪者。ジョーは男たち全員にコードネームを与え、宝石強盗を命じる。
強盗当日。6人の男たちの強盗は失敗に終わった。なんと、襲撃した宝石店には既に警察の手が回っていたのだった。男たちは宝石の奪取に失敗し、警察の追跡に追われながら逃亡した。警察の手口があまりにも用意周到だったため、男たちは「この中の誰かが警察のスパイじゃないか?」と疑念を抱く。疑心暗鬼に陥った男たちはスパイを探り始め、やがては仲間割れに突入していく。果たして、裏切り者は誰なのか…。男たちの命運はいかに…。
⭐感想
タランティーノ監督による記念すべき第1回監督作品です。私はタランティーノ監督作品は全て観ており、『レザボア・ドッグス』は5番目ぐらいに観た作品です。
まず、観始めて真っ先に思ったのが「1作目からタランティーノ節が炸裂してる!ヤベェ~!!」でした。知ってる方は知ってると思いますが、タランティーノ監督作品の特徴は長い会話劇とバイオレンス描写です。『レザボア・ドッグス』は、この2つが序盤から炸裂します。もう、私はこの時点で大満足でした。
劇中の大半を占める、キャラクター同士の掛け合いが最高でした。組織の裏切り者をあぶり出すために互いの腹の中を探り合う会話が見事でした。緊張感を保ちながらも楽しさがセリフは聴いていて非常に面白いです。加えて、1人1人のキャラクターの個性が強いため、観てるうちに自然と彼らに愛着が沸き始めます。この作品が好きな方は、最低でも1人は推しキャラがいるのではないでしょうか?
会話劇で展開する本作ですが、ジャンルの位置づけとしてはクライム・サスペンスとなっています。確かに、ストーリーだけ見ればクライム・サスペンスではありますが、作品全体を観ればタランティーノ節全開の独創性を帯びた個性の強い作品です。なので、『レザボア・ドッグス』はクライム・サスペンスとタランティーノ節の見事な掛け算であり、タランティーノ監督しか作れない唯一無二のクライム・サスペンスだと思っています。これほどまでに監督の特徴が色濃く現れたサスペンス映画は他にあまり存在しないことでしょう。
22位 ゲット・アウト
⭐ジャンル
スリラー、ホラー、社会風刺
⭐主要キャスト
アリソン・ウィリアムズ
⭐受賞歴
第90回アカデミー賞 脚本賞受賞 作品賞・監督賞・主演男優賞(ダニエル・カルーヤ)ノミネート
⭐あらすじ
写真家の黒人男性クリス(演:ダニエル・カルーヤ)は、白人の恋人ローズ(演:アリソン・ウィリアムズ)の実家がある”白人の村”を訪れる。村に到着した後、ローズの家族はクリスを喜んで迎え入れた。ローズの家には黒人の使用人が数名ほど雇われていた。だが、黒人の使用人が常人とは思えない妙な態度や素振りを見せ、クリスは不審な思いを募らせる。「この家の黒人たちは何かおかしい」とクリスは疑問を抱きながら、翌朝を迎える。そして、クリスの疑問は想像を絶する惨劇へと打って変わるのだった……。
⭐感想
アカデミー賞で脚本賞を獲得した結果に現れている通り、脚本の作り込みが素晴らしい本作。見所を挙げれば切りがないです。強いて挙げるなら、ヒトコワを醸し出すホラー要素・常に緊張の糸を緩めないスリリングな展開・ストーリーが進む度に明らかになっていく村の秘密といった具合でしょう。
脚本以外にも演出が素晴らしいです。不気味かつ衝撃的な怖さが不意に襲ってくるため、何度も驚かされます。そのため、常に身構えてしまい、安息する暇がありません。
全体をまとめると、脚本と演出が”最強”であり”最恐”である作品です。観る者に息をつかせず、画面に釘付けにされます。104分の上映時間があっという間に過ぎます。お家の中でジェットコースター気分を味わいたい方にはオススメです。そうでなく、単純にストーリーやホラーを楽しみたい方にも十分にオススメ出来ます。多角的に万人ウケする作品だと思います。
21位 時計じかけのオレンジ
⭐ジャンル
SF、哲学
⭐主要キャスト
マルコム・マクダヴィル
⭐受賞歴
第44回アカデミー賞 監督賞・編集賞・作品賞・脚色賞ノミネート
⭐あらすじ
舞台は近未来のロンドン。主人公は反社会性を持って生まれたサイコパスな15歳の少年のアレックス(演:マルコム・マクダウェル)。アレックスは3人の不良友達を率いて暴力沙汰を起こしたり、女性に強姦を働いたりと欲望のまま残虐な行為を繰り返す日々を送っていた。だが、そんな生活が終わりを告げる。
ある日、アレックスは殺人を犯して警察に逮捕される。そのまま有罪となり、刑務所へ収監されることになった。刑務所生活を送っている最中、アレックスは国家の内務大臣であるフレデリック(演:アンソニー・シャープ)の目に留まる。フレデリックは”ルドヴィコ療法”なる治療法の研究に力を入れていた。ルドヴィコ療法は新たな医術であり、人間に染み付いた悪の心を消滅させて犯罪の抑止力となることを目的とした治療だった。
アレックスは、刑期短縮と引き換えにルドヴィコ療法の被験者になることを承諾。施設に移送され、ルドヴィコ療法を受けることになった。果たして、アレックスは悪人から善人へと変化するのだろうか?そして、ルドヴィコ療法は犯罪の抑止力として確立するのだろうか?
⭐感想
胸糞映画として知られる本作であるが、内容は非常に哲学的です。簡単に言えば、”管理主義”と”自由放任主義”のジレンマを描いています。管理主義と自由放任主義を嚙み砕いて説明すると、管理主義とは、国家が個人の全てに干渉して好き勝手なことを抑制する考えです。自由放任主義とは、個人は国家からの干渉を一切受けずに好き勝手していいという考えです。この相反する考えのメリットとデメリットを主人公のアレックスを中心に表現し、観る者へ突き付けて考え込ませる力をこの作品は持っています。劇中の映像表現や流れるBGMが幻想的ではありますが、描かれる思想は哲学的であり現代人でも議論が絶えないでしょう。1970年代の作品だとは微塵も感じません。
内容が哲学的すぎるため、これ以上感想を書いていくと単なる私自身の個人的解釈になってしまうため、この辺で書くのは止めておきます(笑)ショッキングな映像が多い作品ではありますが、観たことない方は実際に観て、作品に込められた哲学を感じ取ってほしいです。
ちょっと余談ですが、2008年に公開されたクリストファー・ノーラン監督作品の『ダークナイト』でジョーカー役を演じたヒース・レジャーは、ジョーカーを演じるにあたって『時計じかけのオレンジ』のアレックスをモチーフにしたそうです。
おわりに
というわけで、「2021年上半期ベスト映画トップ30」を30位から21位までを発表しました。次の記事で20位から11位までを発表します💨