今週のお題「もう一度見たいドラマ」
はじめに
今週のお題に「もう一度見たいドラマ」とありましたので書いていきます。私が紹介する「もう一度見たいドラマ」は、西島秀俊さん&香川照之さんがダブル主演したクライムサスペンス「ダブルフェイス」です。
概要
①そもそも、ダブルフェイスとは?
キャッチコピーは「ヤクザの幹部、実は潜入捜査官」、「エリート警察官、実はヤクザの潜入員」です。
このドラマの設定を簡単に表現するならば・・・
⭐警察VSヤクザ
⭐西島秀俊さんが、表向きはヤクザであり本当は警察官の役
⭐香川照之さんが、表向きは警察官であり本当はヤクザの役
⭐互いにスパイの存在を知り、スパイ探しが始まる
以上です。後述にて、あらすじをネタバレしない程度に書きますが、上記の4点さえおさえておけば大丈夫です。これだけでダブルフェイスを十分に楽しめることを保証します。
上記4点のドラマの設定でピンときた方もいるかとは思いますが、そもそも、このダブルフェイスというドラマは、とある映画をモチーフにしております。
↓これです↓
ダブルフェイスは、この「インファナル・アフェア」という2002年に公開された香港映画が元ネタであり、ストーリー展開や警察VS犯罪組織という構図も大体そのまま踏襲しています。
そもそも、このインファナル・アフェアは、中国で最も有名な映画賞である香港電影金像奨(日本でいう、日本アカデミー賞みたいな賞)において、作品賞・監督賞・主演男優賞・助演男優賞と多くの部門を獲得しています。
また、インファナル・アフェアは世界的にも高い評価を受けており、その勢いは香港映画の枠にとどまることはありませんでした。
↓それが、こちらです↓
実は、ダブルフェイスが世に送り出される前にハリウッド映画でリメイクされました。それが、この「ディパーテッド」です。
ディパーテッドはハリウッド映画の巨匠・マーティン・スコセッシ監督が手掛けた作品です。レオナルド・ディカプリオやマット・デイモンといった超有名なハリウッドスターが多数出演する大盤振る舞いなリメイクとなっています。
このディパーテッドもハリウッド映画界において高い評価を受け、アカデミー賞で最優秀作品賞を受賞しています。実は、アカデミー賞の歴史において、外国映画のリメイク作品が最優秀作品賞を獲るのは史上初の快挙です。
ここまでの流れをまとめると、
⭐ダブルフェイスの元ネタは香港映画のインファナル・アフェアである
⭐インファナル・アフェアは世界的に高評価を得た傑作である
⭐インファナル・アフェアのリメイクであるディパーテッドも同様に高評価である
ここまで聞くと、元のインファナル・アフェアが、いかに強烈なインパクトを残す作品なのか期待値が十分に高まったと思います。ダブルフェイスは、「面白い作品」というのが完全に保証されているんですよね。
まだブログは続きますが、この段階でダブルフェイスを観たいと思った方は、このブログを閉じてもらって構いません。多分、ゲオかTSUTAYAにDVDが置いてあると思うので、借りてきて楽しんでください✋
②放送局
ダブルフェイスは、前編の「潜入捜査捜査編」と後編の「偽装警察編」に分かれており、以下の放送局で放映されました。
⭐前編の潜入捜査編→TBS
⭐後編の偽装警察編→WOWWOW
なお、後に両局において前編と後編を再放送しています。
実はダブルフェイス、TBSとWOWWOWがタッグを組んで共同制作したドラマです。私は、テレビ業界に関して詳しくないのですが、民放の放送局とWOWWOWが共同制作をすることは、あまりないのだそうです。2つの放送局がタッグを組む、この点からもこのドラマに対する力の入れ具合が見れますね👀
あらすじ
概要のドラマの設定でも触れていますが、ネタバレなしで説明します。
舞台は神奈川県。
神奈川県警は、指定暴力団である織田組の壊滅を狙っていました。織田組を検挙するため、角野卓三さん演じる警視正の小野寺は、西島秀俊さん演じる森屋に警察官である身分を隠して織田組にヤクザとして潜入させます。
そして、森屋がヤクザへ潜入してから6年が経過しました。「いつ自分の正体がバレるのか・・・」。森屋は毎日、自分の正体が発覚する恐怖に怯えていました。警察とヤクザの二重生活を続けることに苦痛を持ち、潜入捜査を辞めたい一心でした。
森屋がヤクザに潜入捜査する数年前、香川照之さん演じる高山はヤクザの身分を隠し、神奈川県警に就職し、刑事となっていました。理由は、小日向文世さん演じる織田組のボスから「警察官になって捜査情報を漏らし、織田組を助けてほしい」と言われたからです。
ボスの命令を忠実に守り、ヤクザ組織に貢献する高山。しかし、高山も森屋と同様に警察とヤクザの二重生活を続ける自分に疑問を持ち始めていました。
警察官でありながらヤクザとなった森屋。ヤクザでありながら警察官となった高山。互いが潜入先の組織の情報を漏らした時、神奈川県警・警視正の小野寺と織田組ボスの織田は身内に敵側のスパイが潜入していることを勘づきます。
こうして、警察とヤクザの双方において、スパイ探しが始まりました。存在を気づかれた森屋と高山。警察とヤクザの二重生活を続ける二人に訪れる運命とは・・・といった具合のあらすじです。
ダブルフェイスの魅力
ここからはダブルフェイスの見所を語っていきます。
①息つく暇のないスリリングなストーリー
ストーリーは、常に緊迫感MAXのまま進行します。それもそのはず。
なぜなら、互いに身分を偽った主人公たちが、
⭐敵組織の情報をバレないように漏らす
⭐正体がバレないようにスパイ探しの魔の手から逃れる
と、1歩間違ったら自分がおじゃんになる場面が続くからです。
個人的に印象に残ったのは、前編の後半にある西島秀俊さん演じる森屋がスパイ探しの魔の手にかかった場面ですね。このドラマは常にドキドキ感が続くのに、前編のラスト20~30分は、さらにドキドキ感が増して心臓を貫きます。
②潜入の命を背負った2人の主人公
ダブルフェイスは、スリリングなクライムサスペンスであると同時に、警察とヤクザの身分を併せ持つ2人の人間を描いた作品でもあります。
ヤクザ組織と決別したい潜入捜査官の森屋。仲間の警察官を欺きながらヤクザに手を貸して汚職を続ける高山。2人とも志願して潜入したわけではありません。森屋も高山も組織の親から、潜入の命令を受けて従っているだけなのです。警察とヤクザ、2つの母体から歩く道を勝手に突きつけられた森屋と高山。他者から決められた任務、そして、それによって囲まれる人間関係。自分の意思なく過ぎていく人生に、「このままで自分はよいのか・・・」と2人は揺れ動きます。
いずれはヤクザの仲間を裏切る森屋。定年まで警察官の仲間を欺き続ける高山。本当の自分を隠し通す。それがいかに苦痛であるかが、2人の主人公を通して伝わってきます。
③作品を引き立てる音楽
このドラマ、なんといってもBGMが良いです。音楽を担当したのは、ドラマ「SP」の菅野祐吾さんです。(あの「デッデッデン!」で始まる有名なBGMの生みの親です。)
前述に紹介した魅力の「①スリリングなストーリー」および「②潜入の命を背負った2人の主人公」を思う存分引き出しています。
ストーリーが大きく傾く時は緊張感あるハイテンポな曲が流れ、2人の主人公がこのままスパイ生活を続ける自分を見つめなおすシーンではスローで重々しい曲が流れます。その場その場のシーンにマッチした音楽が作品のメリハリになっており、観る人の目を引きつけます。
私はインファナル・アフェアを観ていませんが、ディパーテッドは観ました。好みによるかもしれませんが、ダブルフェイスとディパーテッドのBGMを比較したら、ダブルフェイスの方が良かったです。ディパーテッドは全体的にアメリカンでファンキーな明るいBGMでしたが、ダブルフェイスはシリアス路線全開のBGMになってます。個人的には、主人公2人がスパイ生活を続ける葛藤を現すのはシリアス路線の方が合っているのかなと思いました。
さいごに
香港映画の傑作「インファナル・アフェア」をモチーフに制作された日本ドラマ「ダブルフェイス」。やはり、傑作はリメイクしても傑作です。このブログを読んだ方には、ぜひとも観てほしいです。(ゲオかTSUTAYAに行けば、多分あるはず。)
ダブルフェイスは、テレビ放送が決まった際に、あまり大々的な宣伝はありませんでした。こっそりとTBSおよびWOWWOWで放映され、DVD化が決まった際にちょこっとだけ宣伝したぐらいです。それゆえ、このドラマに対する認知度はメチャクチャ低いです。実際に私がドラマ好きの知り合いに「ダブルフェイス知ってる?」と訊いたところ、誰1人知る者はいませんでした。面白い作品なのに埋もれていることを感じてしまいました。
ですので、このブログを読んだ方には観ていただき、スリリングなストーリーを楽しんでいただき、さらには2人の主人公が運命に葛藤する姿を見ていろいろと感じてほしいです。
それでは、さようなら✋